CO2削減に風力発電産業を強化

今年12月に南アフリカで開催されるCOP17(第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議〜長い名前)で京都議定書に代わる新たな合意(CO2削減目標)がなされねばならないとう状況です。

順位 エネルギー総使用量(百万トン) 一人当使用量(Kg)
1 アメリカ合衆国 2,123 7,039
2 中国 1,568 1,203
3 インド 437 385
4 日本 423 3,357
5 ドイツ 284 3,449
6 カナダ 284 7,196
7 イギリス 205 3,357
8 フランス 170 2,762
9 韓国 161 3,309
10 ブラジル 158 823

出典:UN, Energy Statistics Yearbook 2007

上記は各国のエネルギー使用量を石油に換算したランキングです。
石油がぶ飲みのアメリカが1番多くエネルギーを使っていますが、2番3番には新興国である中国とインドとなっています。ところが、人口一人当たりに換算すると様相が異なり、先進国は軒並み3,000Kg以上であるのに対し、中国やインドは3分の一となっています。(この表には出てませんが、一人当たり一番エネルギーを消費しているのは石油産出国のカタールで17,899Kgと日本の5倍以上)
これがCOPでの先進国と後進国の議論がぶつかるところ。「先進国は現時点で既に一人当たりのエネルギーをたくさん使って豊かな生活をしている。まだキャッチアップ中の後進国に対して先進国と同様のCO2削減率を求めるのはおかしい」、というのが中国を中心とする後進国の主張です。(中国は後進国とは思いませんが。。。)


一方、COPではCO2削減をコミットしていないものの、実際の中国政府の動きを見ているとCO2削減のために再生可能エネルギーに力を入れています。中国電公司が先日発表した白書によると、風力発電能力を2015年には90ギガワットに、150ギガワットに引き上げると発表しています。
先日私が訪問した土漠の中の都市、楡林でも、市のお役人が説明するにあたって、年間風量がこれこれで年間日照量はこれこれで自然エネルギーにも恵まれている、と自慢されていました。中国中央政府はCOPでは先進国と対立しているものの、地球環境を考えてCO2削減のための政策を打ち出していくでしょう。従って、風力などの再生可能エネルギー技術を持っている日本企業にもチャンスだと思います。


***以下プレスリリースの要訳***

リリース本文はこちら↓
http://www.sgcc.com.cn/ywlm/mediacenter/corporatenews/04/245999.shtml


「中国の風力発電は2015年には90GWを超え、2020年には150GWに達する予定である」と中国電公司が発行した風力発電推進白書は発表している。中国でこの種の白書が発行されたのは今回が初めてである。

今年3月の時点で同社が接続している風力発電は33.16GWであり、R&Dを強化するとともに技術の標準化を図っていこうというもの。白書では、風力発電以外にもUHV、地域間グリッド、スマートグリッド揚水発電についても書かれている。